◆はじめに
『シンフォニック=レイン』(symphonic rain)は、
工画堂スタジオくろねこさんちーむより発売された全年齢対象のパソコンゲームです。
この作品が発売されたのは2004年。その後「愛蔵版」「普及版」を経て
現在の主流版となるHDリマスター版がSteam、及びNintendo Switchでも発売されました。
雨の降り続ける町「ピオーヴァ」を舞台に、登場人物たちの様々な人間模様を描いたこの作品は、発売から20年以上を経た現在でも多くのファンに愛されています。
“人の心”の交差を巧みに描いたシナリオと、物語の節々に丁寧に織り込まれた伏線。
しろさんの描く、柔らかくも儚い印象を持つ登場人物達。
降りしきる雨の音と共に、故・岡崎律子さんの紡いだ珠玉の調べが重なり合い、
【シンフォニック=レイン】という物語の世界にプレイヤーを引き込みます。
もし、この作品をまだプレイしていない方がいましたら、是非ともその手にとって、この作品をプレイしてみてください。
また、この先、このサイトの大部分において、作中の重大なネタバレがされています。
未プレイ・及びプレイ中の方は、どうかシンフォニックレインという作品を最後まで読み終えてから、読み進めて頂けると幸いです。
◆ファーストインプレッション
私がこの作品を知ったのは、まだ公式HPすら完成していない2003年の年の瀬。
工画堂スタジオくろねこさんチームのミュージックアクションゲームシリーズ
その第二作「AS~エンジェリックセレナーデ」の大ファンだった私にとって
第三作目となるこのゲームには、発売前から大きな期待を持っていました。
余談ですが自作のSSの中には、発売直後、或いは発売前に書いたものも存在します。
そうして発売後、公式サイト・プロローグのみの情報でこのゲームを始めた私は、このS=Rという作品に、思う存分に
押し潰され、打ちのめされました。
その時のショックと言えば、実生活に支障が出ると言って過言ではないレベルでした。
もちろん、それは期待外れだったというものではありません。
私はこのゲームで「鬱ゲー」というゲームジャンルがあると言うことを身にしみて知りました。ゲームをプレイ中も、何度悪寒や動悸に苛まれたのか分からないほどでした。
これほどまでに心の奥底まで入り込んでくる物語は、過去に経験したことのないものでした。
そして、このゲームをプレイし終えた時、
正確には、本当に最後の最後。一つのシナリオにおいて。
ある登場人物の、その言葉を聞いた時に。
私の中は一つの感情で満たされました。
ただ、この作品に会えて、この作品をプレイできて『嬉しかった』 と。
その時の感情は初回プレイ時から時を経た今でも忘れることができません。
◆この先を読み進めるに当たって
このHPは「シンフォニックレインについてのレビュー・考察」も目的としていますが
あくまで個人で感じたことを書き連ねただけであり、考察といった大層な名目で呼べる内容である保証はありません。
しいて言えば、この作品を読み終えた上での思いと、1つの解釈を
ただ『シンフォニック=レイン』という作品の1ファンとして、まとめたいと思ったのみです。
そして、もしこのHPが『シンフォニック=レイン』という作品をより深く読み進めたり
もう一度プレイきっかけになれたなら、これほど嬉しいことはありません。