※注意:この先の文章はシンフォニック=レインの物語の重大なネタバレを含みます。
全エンディングをクリアしてから、お読み頂けるようお願いします。
シンフォニック=レインには愛蔵版以降に発表された、公式による幾つかの短編小説が存在します。それらは本編の物語を補完すると共に、シンフォニックレインという物語、そしてキャラクターを深く理解するための手掛かりにもなるものです。
2024年12月に発売されたSwitch版の限定版では、この内「20年後のあなたへ」以外の全ての物語が収録されている文庫本が同梱されており、今ではこちらの入手が最もそれらを追うのに適した方法となっています。
ここでは小説集の物語それぞれの概要と気になる点をそれぞれ紹介していきます。重大なネタバレが含まれますので、改めて本編全クリア後にお読みいただくようお願いします。
◆目次◆
◆猫と妖精と、時々雨
◆雨の始まり
◆いかさまコイン
◆愚かな詩人
◆妖精の本
◆三人目のマリア
◆こんな空の下で
◆猫と妖精と、時々雨
『私はいったいなんなんだろう?フォーニという名の、音の妖精?それとも、アリエッタ=フィーネ?』
この短編はフォーニと、彼女が出会った猫の「ソラーレ」の視点で描かれています。本編ではほとんど描かれなかったフォーニの視点は、彼女がフォーニであった頃にどのような思いを持っていたかを知る貴重な資料となります。
時間軸は本編開始前。ピオーヴァに来て2年以上が経過している段階です。
ソラーレはクリス以外でフォーニの声を聞き、話すことができる初めての相手でした。ソラーレが探している「何か」を一緒に探すフォーニ。
その探しものの結末は、悲しくも優しいものでした。
ソラーレは生者ではありませんでした。遠い昔に失くしたものを知った彼は、静かに、そして穏やかに、家族の元へと帰っていきました。
ソラーレがフォーニとしっかりとした会話ができたのは、彼がフォーニと近い存在だったためと思われます。自分の過去を忘れ、大切な記憶も失っていた彼は亡霊のような存在として、天に昇ることなく地上を彷徨っていました。そして、同じく意識だけの存在…生霊ともいえるフォーニと出会い、ようやく探していたものを見つけることができたのです。
この短編において、フォーニは自分の存在が一体何なのかを迷う描写があります。妖精フォーニなのか、アリエッタなのか。『自分は一体何者であり、何をすべきなのか』それはフォーニの成立理由。そしてフォーニENDに至るための重要なアリエッタの自覚でもあります。
次の短編も合わせて、フォーニとはどの様な存在なのかを知る大きな手がかりとなる物語でした。
『私がいなくなれば、全てがうまくいくはずなのに』
この物語は、3年前ピオーヴァに行く直前に事故にあった直後からのアリエッタの視点で描かれています。
意識を失い目を覚まさないクリス、そしてより重篤な状況のアリエッタ。2人を取り巻く家族、トルティニタの様子も詳細に書かれています。
事故の直後、アルは意識だけの存在になっていました。
その頃には手足すらなく、ただ意識のみでクリスの側に漂っている状態でした。悲しむトルタを見て、アリエッタは冒頭のような思いを吐露します。
薄情とも取れるそんな思いのすぐ後、アリエッタは「なぜクリスがトルタではなく、私を選んでくれたのか」の理由を悟ります。そしてトルタからアルへの愛情も。
『私が死ねばトルタは悲しむ、だけど、いつかはそれも美しい思い出になる』
アリエッタの得た答え。同時に湧いてくる、愛する者と別れたくないという葛藤。泣いているトルタのために自然と動く口。その時、アルは自分の歌声が信じられないほど美しいものになっていることに気づきます。
そしてその時に彼女は、妖精の姿になっている自分に気づいたのです。
目覚めたクリス、彼は妖精となった自分の姿に気づく素振りを見せました。アルはクリスにのみその存在が認識されていることを知ります。
クリスが事故の記憶を失っていることを知り、それがクリスにとって幸せなことなのだと思うアル。同時に「忘れられる」ということが、どれほど恐ろしいことなのかも。
気力をなくし、消え去ってしまいたいと願ったアルは、再び意識だけの存在になります。クリスがその時に自分の名前を呼ばなければ、本当に消え去ってしまっていただろうと、アルは思いました。
クリスが自分を忘れ、学院生活の中で自分よりトルタを好きになること。
それが、クリスにとって一番良いことだと。幸せになる方法だとアルは理解しました。
『でも……』
『でも、それは……嫌だ!』
心の内から湧き上がる、そんな強い感情を押し殺し
クリスがトルタと結ばれることが最善だと理解して、
彼女が自らの死を完全に受け入れた時。アルは一つの答えを出しました
『私は、クリスと一緒にいたい』
それが、後に彼によって「フォーニ」と名付けられる妖精の、最大の存在理由。
トルタや両親の決断に同意し、全てを胸の内に秘めたまま、クリスが住む予定のピオーヴァの一室へ向かうアリエッタ。
妖精としての物語の結末は、決してハッピーエンドではないだろう。
それでも、クリスが幸せでいてくれるなら、それでいい。
私の体を雨から守るように抱きしめてくれた彼への、無意識の贖罪。
『私は、クリスがそうしてくれたように、その全てを受け入れた』
愛すべき者たちの選ぶ全てを受け入れ、自分の死をも受け入れて
終わりの時まで、ただクリスの傍にありたい。
『音の妖精フォーニ』として、ただ、クリスの傍にいること。
それはアリエッタの思い、そして彼らの『雨の始まり』を描いた物語。
この物語を読むと読まないとでは、本編におけるアルへの感情移入のしやすさが全く異なると私は思います。フォーニシナリオや他のシナリオでのフォーニの姿を追っていく事でも彼女の思いを知ることはできますが…
フォーニが生まれた理由とその在り方。フォーニとなったアルの覚悟と葛藤。アルにとって、クリスがどれほど特別な存在だったのか。どれほど彼を愛していたのか。この短編からは、そんなアルの思いの多くを知ることができたと感じました。
『――一瞬、本気で殺そうかとも思った。』
この物語はファルシータ・リセルシア双方の視点から描かれています。
時期は本編中、学院での今年の授業が終わった後。グラーヴェと共に孤児院巡りをしている最中の二人を描いた物語。
本編中では語られなかったリセとファルの内面を知ることができる貴重な小説です。二人がどの様な関係で、お互いにどう思っているのか、本編中ではその断片から推測することしかできなかったことの多くを知ることができます。
それはクリスが、リセとファル以外を選んだ場合に起こりえた出来事。
孤児院での惨めな生活。二度と戻りたくないという嫌悪。それでも、自分たちが孤児たちの希望になっているという事実。
ファルがリセにとっての理想であり、なりたかったもう一人の自分であったように、リセはファルにとっても、なりたかったもう一人の自分でした。かつてリセが住んでいたアッズィーロの孤児院で、クリスのことを思って弾いたリセ。ファルは自分に足りなかった「何か」を、そのフォルテールの中に感じます。
そしてファルのいたモデストの孤児院では、彼女がどんな過酷な幼少期を送っていたのかを垣間見ることができました。そこでリセがファルに対して奏でた『全てを受け入れてくれるような音色』。ファルはクリスに会う前に立てていた最初の計画に立ち返ることを考えます。
ファルは、自らの片翼をリセに渡します。
翌日、ファルが偶然見つけたいかさまコイン。どちらも表のコインとどちらも裏のコイン。リセとファルはコインの表裏のように正反対だけれど。
『なら、賭をしましょうか』
この先も2人でやっていけるのかどうか。リセの選んだ「表」を聞くと
ファルはコインを投げます。どちらも表のコインを。
賭の後、使ったコインをリセに投げ、裏側だけのコインを握りしめるファル。
二人の未来は、そこから始まりました。
この物語からはクリスがリセ・ファルをパートナーに選ばなかった場合の二人の未来の様子を推測することができます。更に別の短編では、この先の未来と思われる様子も語られています。
クリスが彼女たちを選ばなかった未来では、恐らく高い確率でファルはリセに片翼を託し、リセの力、そしてチェザリーニ家の力を得ることになるのでしょう。リセは歌を諦める代わりに、憧れるファルとの関係を深め、彼女のため、フォルテール奏者としての道を選びます。
それは父グラーヴェの望み通りの未来。そうである以上、リセルートのような虐待は起こり得ないものと予想できます。またファルの存在もその抑止力になるのではないかと考えました。
『俺は、いつでも、あなたのためになんだってしますよ』
アーシノ・アルティエーレ
彼がどのようにクリスの友人となり、その秘密を知ったのか。そしてファルのことをどう思い、どの様な関係であったのか。
本編では断片的にしか語られない、アーシノの物語。
チェナーコロで偶然出会った彼女の声に、他にはない魅力を感じるアーシノ。一目惚れにも近い出会いを経て、彼は彼女に崇拝の念すら抱くようになります。
アーシノのフォルテールを聞き、彼がフォルテールが好きではないことを見抜くファル。
ファルからクリスの話を聞かれ、アーシノは1年の時に感じた、彼の音についての感想を言います。
『苛立ち、腹立たしいが、目を離すことができない音色』
『現実から、逃げているような』
トルティニタの異常な行動から、何を隠しているのか探りを入れるアーシノ
トルタは嫌悪感を隠すことはありませんでしたが、仕方なく彼に「雨の幻覚」の事を話します。
『人に話したら……あなたになにをするかわからないわよ?』
トルタの異常性に多少引いたものの、2年以上約束を守り続けたアーシノ。
手紙の中にしか登場しない恋人の存在。彼は推測ではあっても多くのことに気づきながら、クリスの友人としてあり続けました。
ファルと会う機会が増え、彼女の夢を聞き、孤児であったことも知ったアーシノ。彼女は、純粋に歌うことを楽しんでいる。そんな彼女の力になりたいと願った彼は、冒頭の言葉をファルにをかけます。
その瞬間の彼女の中の微細な変化に気付きつつ、その本意までは知らぬまま、物語は幕を閉じます。
アーシノは本編中では終始クリスの良き友人として登場します。
「クリスを利用しているだけ」と嘯きつつ、ファルに秘密を話したことさえも無意識でのことであったほど、彼は律儀に約束を守っていました。
ファルシナリオではファルに利用され、切り捨てられたアーシノ。しかしアーシノのファルに対する覚悟は、尊崇に近い強固なものでありました。
フォルテールの才がない以上、彼はファルのパートナーに選ばれる可能性はほぼなく。彼女の片翼を担うことはできないのでしょう。それでも、彼の言葉はたとえ僅かであってもファルの心を揺らし、後に影響を与えたのだと自分は感じました。
ファルに魅入られ踊らされた愚かな少年。詩人の才を持ちながら、未来を決めきれない優柔不断で矮小な凡人。彼の未来には何が待っているのか。それは別の短編で書かれた未来に期待しましょう。
『わたしは、わたしのなれる何者かになりたかった』
それは、3人がまだ故郷の音楽学校に通っていた頃のお話。
アリエッタが読んだ妖精にまつわる本、飛べない妖精の「ファータ」のお話です。ファータはほとんど飛ぶことができず、体が弱く、いつも笑顔をたたえ、そして他の妖精たちより少しだけ歌が上手い妖精でした。
友人と呼べる妖精の仲間たちに囲まれる日々を大切に感じながら、迫るおわりの時を前に、他の妖精とは違い「死」を恐れたファータ。
彼女は最後に空を飛びたいと願い、強い風の吹く危険な谷へと向かい、空に消えていきました。
本の中で語られた、愚かな妖精ファータのお話。それはアリエッタの心に残り続け、後に事故に遭い意識だけとなったアリエッタが飛べない妖精「フォーニ」となった、大きな理由になったのだと思います。
音楽の才がなく、自らの手で学ぶこともやめたアリエッタはクリスとトルタ、2人との距離を感じていました。練習しているパン作りもまだ失敗が多いのです。
それでもアリエッタは自分を不幸とは思っていませんでした。愛すべき妹のトルタ、そしてクリス。幸せだと言ってもいい日々。
『しかしその幸せが、本当に確かなもので揺るぎないという確信は、持てなかった』
この短編から読み取れるのはアルの心の中にあった僅かな欠落。そしてファータという妖精がとった行動は、のちの彼女に在り方に大きな影響を与えます。何より死を恐れ、病の床で仲間に囲まれて過ごす時間を幸せと感じながら、それでも叶えたい願いのために谷に向かったファータ。
わたしのなれる何者かになりたいと願ったファータ。
『わたしがあのままベッドの上で消えて無くなったとしたら、わたしの存在はなんのためにあったんだろう?』
自らの死を受け入れ、クリスに忘れられることも含め、2人のすべての未来の選択を受け入れたアリエッタ。ファータと同じ「飛べない妖精」の姿になった彼女は、その上で望みました。
その望みは、最期の時までクリスの側にいること。
アリエッタでは果たせなかった歌を、彼とともに歌うこと。
『悲しいほどにこの目の前の少女は、成長していないこともまた、私に伝えた』
時期はクリスたちの学院卒業後の夏。2年生になったリセルシアを受け持つことになったコーデルと、その助講師として働き始めたアーシノ。そして彼らの前に現れたマリア。『エスク・マリア・ローレン』の物語です。
かつてコーデルが学院の生徒だった時、エスクはグラーヴェ講師の助講師でした。当時のコーデルから見ても年下に見えるほど小柄で幼い少女エスク。彼女はその頃には既にグラーヴェとの娘、リセルシアを出産していました。
いつも楽しそうにフォルテールを弾く、無垢で無邪気なエスク。グラーヴェからの助言で「導く者」としての未来を見つけたコーデル。コーデルはエスクと友人のような関係になり、グラーヴェには尊敬の念を抱いていました。
しかしリセが1歳になった頃、エスクは突如彼らの前から姿を消します。
エスクの出産やリセルシアの存在を知っていたのは極僅か。その内の一人であるコーデルは、傷付き、変わり果ててしまったグラーヴェを間近で見続けます。リセを孤児院に捨てたことも、フォルテールの才を知って再び娘としたことも、その嘆きをずっと見ていたコーデルは、エスクに怒りを抱きます。
やがてその思いも風化しつつあった現在。アーシノとコーデルの前に現れたのは、あの時と同じように、無垢で幼い姿のままの、エスクでした。
アーシノから見てさえ年下に思える、可愛らしくあどけない笑みを浮かべるその女性を、コーデルは表情を固めながら「マリア先輩…」と呼びました。
アーシノは卒業後にもファルとの交流が続いていました。受け持ちの生徒リセのパートナーであるという縁。リセの曲に何気なく付けた歌詞を、ファルは褒めました。作詞の才能を垣間見せ、綺麗な歌詞を紡ぐアーシノに対し、その理由をファルは言います。
『あなたの心が、美しくないから』
ファルの言葉を心に残したまま、アーシノはエスクとも会う機会を重ねる中で、次第に彼女に惹かれていきます。エスクもまた彼の詩を褒め、その綺麗な言葉を紡げる理由を
『あなたの心が、すごく綺麗だからね』
と言いました。アーシノはエスクの無邪気さ、純粋さ。そして己の弱さや未熟さを全て受け入れてくれるような優しさ…母性のようなものを彼女の中に感じ。優柔不断な自分を変える決断をします。
彼女と話をしたコーデルは知っていました。エスクが今更学院にやって来たのも、娘であるリセの現状を聞いて喜んだのも、グラーヴェを捨てた理由も。全ては自分の中で過去の話とした上で、気まぐれのような行動だったことを。
エスクは幼かった。外見も内面も、自覚しているように本当に幼かった。
そこに罪悪感はなく、逃げていたという自覚もない。周りへの影響など何も考えずに、ただ自分のしたいように生きていた。
アーシノはエスクに手を引かれるように、学園を去っていきました。今までの生活や助講師という立場も何もかもを捨てて。コーデルは二度と彼が帰ってこないこと悟り、思うのでした。人は弱く、自分もまた弱いのだと。
この短編ではエスクという人物を中心に、コーデル、グラーヴェの過去とリセの出産、母親たるエスクの失踪の理由やその過去が描かれています。
また「いかさまコイン」後のリセとファルの様子や、アーシノの迷いと決断までもが描かれている、盛りだくさんの内容です。
グラーヴェに対し強い尊敬と、恋心にも近い思いを持っていたコーデル。
エスクによって変わり果ててしまったグラーヴェが、ふとしたリセの言葉で、コーデルの知るかつての姿に戻りつつあるという描写。
パートナーを組んだリセとファルの成長。今まで見られなかった「他者への感謝や幸せの感情」をアーシノが感じ取れるようになった、ファルの変化。
永遠に幼いまま、他者に影響を与えながらも、ありのままに生きるエスク。
そしてそんな彼女を崇拝し、自分自身を変えるために彼女と共にピオーヴァを去ったアーシノ。
本編で描かれなかった登場人物の過去や未来までもを描いた物語。
街を出たアーシノはその後どうなったのか、リセやファルのさらなる未来は。
それはまた、別の短編で。
『ここには、私の望んだ全てがあります』
リセルシアシナリオのその後を描いた小説として、短編集の中でも初期に出された作品です。実の父、グラーヴェによって喉を潰され、記憶すらも壊されかけたリセ。リセのために懸命にフォルテールを弾くクリスの音色の中で、ぼんやりとした意識の中で、彼女は思い出します。
父に家を出ていくと伝えた時のこと。父の涙と必死の懇願。
首を絞められてなお、許してあげたいと思った父親への愛情。
そして、トルティニタさんから託された、大切な大切な約束。
クリスさん、トルティニタさん、そしてアリエッタさんに誓ったこと。クリスさんのことは、私が守ると。
リセは、記憶を取り戻します。
クリスと共に半年以上をかけて少しずつ回復していくリセ。2人で住み始めた小さな家は、二人の幸せと未来のカタチでした。
失ったものもありました。記憶を取り戻した後に、どうしてもクリスの音色に合わせて歌いたくて、歌い続けた結果。二度と歌が歌えなくなってしまった喉。
それを知り、乱れたクリスの手を握って片手で弾いたフォルテール。
あれほど嫌っていたフォルテールが、今は二人の心を繋いでくれていました。
父親に送った手紙、それを受け取ったグラーヴェは、差出人も何も書かずに2人の元に、もう一台のフォルテールを送ったのです。
「こんな空の下で」からは、リセルシアの覚悟と愛情の強さが伝わってきました。いつも自分を守り愛してくれたクリス。全ての思いを託し泣きながら懇願したトルタ、そしてその真意を知ることはできなかったアルのためにも、自分がクリスを守るのだという決意。
グラーヴェの悲しみがどれほどのものであったのか、リセへの愛情がどれほどのものであったのか。それは本編のみでは知ることができないものでした。しかしこの短編や「三人目のマリア」を読み解くことで、彼が決して娘を虐待し思いのままにしようとする悪人、というだけの人物ではないと知ることができると思います。
リセの強さと親子の愛情。未来への希望を描いた悲しくも美しい物語だと、私は感じました。